日本のスパコンはやはり凄かった
スーパーコンピュータ「富岳」が計算速度で世界一になりました!
おめでとうございます!!
開発したのは、あの理化学研究所と富士通。
6月22日の国際会議で公表された世界ランキングTOP500で、富岳は1秒間に41.5京(京は1兆の1万倍)回の計算性能を示し、2位の米「サミット」(同14.8京回)に大差をつけて首位になったのです。
3位は米国、4位と5位は中国のスパコンでした。
スピード比較の棒グラフを見ますとダントツの成績で、とうぶんは抜かれないのではないかと思ってしまうほどです。
評価の仕方は、フクザツな連立方程式を解く計算のスピードなのですが、これで富岳は2位に対して約2.8倍の性能差を示したのです。
富岳はそのほかの3種類の性能ランキングでも1位を獲得し、4冠を達成しています。
●4冠の項目
LINPACK …… 規則的な行列演算である連立1次方程式を解く計算
HPCG …… スパコン上で動く実アプリケーションに近い演算の性能
Graph500 …… ビッグデータ処理(大規模グラフ解析)に関する性能
HPL-AI …… 今回から加わったAI(人工知能)関連処理の性能
同時4冠の達成は世界初だそうです(全体では6部門あります)。
ビッグデータ解析やAI学習に役立つ機能性がすぐれているのは、現下の状況を見ても頼もしいことですね。
近年、米国と中国の後塵を拝していましたから、満を持して結果をたたき出したカタチです。やはり、2位ではダメです。
これも、国家のセキュリティに資する重要な技術研究分野といえます。
思い返せば。
世界最速のスパコンの称号を持つ「京」が世界最速となったのは2011年。
その後、後継機として2014年から開発がはじまったのが、この富岳プロジェクトです。
弓削は、そのネーミングにも注目しています。
「京」の後継機が「富岳」。
“富岳”とは、ご承知のように富士山のことです。
気高く高い頂(いただき)と、のびやかに広がる裾野をイメージしてのネーミング。
日本一の山が、世界一であるという事実に、胸がすく思いです。
(2位の米機は「サミット(頂上)」ですね。)
富岳は、京が1年かかる計算をたった数日でこなすといいます。
今はコロナウィルスに向けたワクチンや創薬の開発競争が起こっていますが、これは病原体に有効な物質は何かを、膨大な数の候補から選抜しなければならない。
富岳は、コロナウイルスに効く治療薬候補を、約2千種の既存薬から選ぶ高度な計算も担っています。
その他、大震災が起きたときの避難経路を予測できるほか、日本の産業界が企図するイノベーションに大きく貢献するスパコン。
投入される開発資金額が米中に大きく見劣りするなかでの世界トップ。
消費電力も少ないとのことです。ものづくり大国の矜持は、まったく失われていませんね。
ということで、今後はAIやIoT、DXが社会を変えていくなか、富岳の高性能をどう活かし、どんな方面の技術を深掘りしていくのかが問われます。
●葛飾北斎 「富嶽三十六景 凱風快晴 〜赤富士」
製造業のマーケティングコンサルタント、弓削 徹(ゆげ とおる)でした。
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