弓削のキャッチコピーは「直球コピー」
コピーライターの弓削 徹(ゆげ・とおる)です(^^)
かつては大手企業のマーケティング活動を支援していましたが、21世紀以降は中小企業、それも製造業に対して支援活動をおこなっています。
大手企業から中小零細企業、スタートアップまでマーケティング支援に携わってきた経験から、キャッチコピーに限って、大手企業と中小企業の広告表現の相違について書きます。
大手企業のキャッチコピーとは?
まず、大手企業は大手広告代理店にだまされている(笑)
コピーライター(またはクリエイティブ・ディレクター)から、
「今回は、コレで行きたいと思います」
とイメージ的なキャッチコピーをプレゼンされる。大手企業側の担当者も表現やコトバの専門家ではないので、(そんなものか)と受け入れる。
例えば「なんだろう?」と注意を喚起するような謎系キャッチコピーや、センスのよい言葉遊びのような表現ですね。
その結果、費用対効果の上がらない広告出稿・露出がおこなわれてしまう。
もっと消費者の行動を端的にうながす表現であれば、売上は伸びるのに。
仮に、プラス3%の売上増ていどだとしても、全国のスーパー、ホームセンター、コンビニ、Amazon、楽天などに売場を持っている企業であれば、その差は数億!!
(かといって、企業側の担当者や上司が口出しをすると、別の傷口から出血しますが。)
中小企業のキャッチコピーとは?
次に、中小企業は、大手企業のマネをしてソンしてる(笑)
中小企業から依頼を受けてキャッチコピーを書く人は、忙しい。つまり、単価が安いのでたくさん仕事を抱えようとする。それに、ちゃんと納期を守ってそれらしく書ける人は少ないので仕事も集中しがち。
このとき、中小企業に提案してウケるのは、大手企業のようなカッコいいイメージ系のキャッチコピー。これでは先に書いた大手企業のときと同じで、売上に対する貢献度は低い。
イメージ的なキャッチコピーを提示しても、有名ブランドならそこそこ売れるし、全国の売場に置かれていれば手にとってもらえます。
ところが、中小企業の知られざるブランドでは、「なんだろう? 」となっても、次の瞬間、「ま、いいか」と流されてしまう。自分が対象顧客かどうかも不明なまま、スルーしてしまうのです。
本当に必要なキャッチコピーとは?
さて、ここで真に求められるのは──
・誰が顧客で
・なんのための商品で
・どう役に立つのか
以上が、スパッと伝わるキャッチコピーなのです。
私が、支援先企業のために書くキャッチコピーは、基本的に「買ったあとのメリット」をズバリと書くものです。
これを、私自身は「身もフタもないキャッチコピー」と称してきましたが、職業柄もう少しキーワードっぽくネーミングしてみたいと思いました。それが、タイトルにも見える下記の呼称です。
顧客にとってのメリットをただストレートに訴求するキャッチコピーだから、「直球コピー」です。
直球コピーなら、書くのもカンタンであり、それでいて効果はテキメン。
商品・サービスのウリをユーザー視点で特定できさえすればいい。会社の中の人も、ちょっと学習してコツをつかめば書けるようになります。
企業やブランドとして「センスあるね」とはなりませんが、それは“大手企業”になってから考えればいいこと。
まずは、この直球コピーを心がけてみませんか?
製造業マーケティングコンサルタント、弓削 徹(ゆげ とおる)でした。
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