展示会セミナー復調!!

展示会セミナー復調!!

展示会関連のセミナーは、コロナの影響からは7割がた復調した印象です

 

今年も、多くの回数、展示会活用のセミナーや、展示会主催者様より出展者向けスキルアップセミナー(新価値創造展、諏訪圏工業メッセ、産業交流展、大田区加工技術展示商談会、NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)などなど)のセミナー講師、専門家としてお呼びいただきました。

 

また、東京商工会議所さんで展示会活用セミナーをシリーズで収録し、オンデマンドで視聴していただけるようになります(2024年10月以降)のでご活用ください。

 

さて、私の展示会セミナーの内容は、一般的な企画・広告会社さんより実践的ですし、中小企業診断士さんより経験的なノウハウに基づいており、設営業者さんより戦略的であり、営業コンサルタントさんより専門的です。

そもそも展示会に必要な考え方は多岐に渡ります。その知見を一人のコンサルタントで網羅することはムリですし、組織で担当すると高額になる。
だから弓削にご依頼いただくことが増えるというわけです。


今回は、展示会出展に際しての一般的な教えと、それに対する現実ともいうべき視点を併記することで気づきを得ていただこうと思います。

 

ふつうの展示会出展手順と弓削の視点

一般に、展示会支援をメニューに入れている会社の出展手順とは、次のようなものになります。

 

●中小企業が展示会に出展して商談を得るための計画と考え方

1 目的の明確化と展示会の選定

展示会に出展する目的を明確にすることが重要です。新規顧客の獲得、既存顧客との関係強化、競合他社との差別化など、具体的な目標を設定します。その上で、自社の目的に合った展示会を選ぶことが成果につながります。

 

弓削の視点→出展目的は販路開拓や売上アップに決まっています。それを分解すると、新規顧客というより新規分野からの商談獲得だったり、専門商社との出会い、新製品の売り込みになります。差別化点の特定は、日頃から取り組んでおくことです。

 

2 ターゲット顧客の明確化

ターゲットとなる顧客層を明確にし、その顧客が興味を持ちそうな製品やサービスを中心に展示します。ブースのレイアウトやプレゼンテーションも、ターゲット顧客が興味を持つポイントを強調するように設計します。

 

弓削の視点→「ターゲットに合わせて製品・サービスをチョイスして展示する」というのは、大手企業や総合商社のやり方ですね。中小企業はもっとも刺さる業種からの理解を深めることが第一。また、総合展示会に出展すると、意外な業種から引き合いをもらうことで新規ターゲット分野の存在に気づかされるメリットもあります。

 

3 効果的なブースデザイン

ブースは遠くからでも目立つようにデザインし、来場者が立ち止まってくれるような仕掛けを作ります。例えば、製品のデモンストレーションや試食など、実際に体験できる要素を取り入れると効果的です。

 

弓削の視点→目立つことは大切ですが、立ち止まって「いいデザインだねぇ」と思ってもらっても商談にはつながりません。「これはウチに向けたメッセージだね」と思ってもらえるキャッチコピーこそ重要です。デザインだけが優れた「デザイナーズブース」はコストがかかるばかりで費用対効果は上がりません。

 

4 事前準備と集客活動

展示会前には案内状や招待状を送付し、見込み顧客や取引先に参加を促します。また、案内状送付後にはフォローアップの連絡を入れ、リマインドも行うことで集客効果を高めます。

 

弓削の視点→そもそも多くの中小企業にとって、広範囲に向けたマーケティング活動は負担なのです。それを避けるために展示会活用を選んでいるのです。関係がはじまったばかりの会社などを招待するのは有効ですが、業界リスト全体に案内状をDM送付するのはムダです。それで来場しても別のブースに吸引されて終わりでしょう。

 

5 商談目標の設定

展示会での商談件数や名刺交換枚数など、具体的な数値目標を設定します。これにより、出展中の活動がより計画的かつ効果的になります。

 

弓削の視点→成果目標を数値で設定することはとても重要です。しかし、それは名刺の数ではありません。出展経験の豊富な会社さんなら、「名刺の数は取れたが商談に結びついた件数は悲惨だった」という経験をお持ちでしょう。数値目標は別の項目にするべきです。そして、出展中に大きく影響するのは「今回は〇〇業を重点的に攻める」のような目標なのです。

 

6 展示会後のフォローアップ

展示会終了後は迅速にフォローアップを行い、名刺交換した相手や商談した顧客に感謝の意を伝えます。これにより、良好な関係構築につながりやすくなります。

 

弓削の視点→私は支援先企業に「出展後の挨拶メールは、原則的に不要です」と伝えています。「挨拶があったから取引しよう」という会社が皆無とは言いません。刺激的な言い方として「挨拶メールを送ろうかと悩むなら、その出展は失敗」という決め台詞があります。

 

7 継続的な情報発信

展示会で得たリードに対しては、定期的に役立つ情報を発信し続けることで、中長期的な関係構築を図ります。これにより、最終的な成約につながりやすくなります

 

弓削の視点→これは概ね同意見です。情報メルマガやニュースレターですね。しかし、それを誰が送り続けるのか、ネタはどうやって探すのか──、これが中小企業にとっては課題なのですね。

 

以前、大学院(社会人が通うビジネススクール)の授業中に「商談相手との雑談はどう考えたらよいか」という質問がでました。

弓削は「基本的にはいらない。しかし、中には必要な相手もいる。その見極めはこうする…」と答えましたら、営業経験豊富な院生同士で(やっぱりそうだよな)と囁きあっていました。

 

別のところで雑談が重要という教えを聞いたようです。(現場経験がないからああいうことを言うんだよ)とも囁きあっていました。

現場を知ることは大切ですね。そして、その現場は時代によって変わっていきます。

私も現場にできるだけ臨場し、けれども近視眼的にはおちいらず、学び続けていきたいと思います。

 

 

 

 

製造業マーケティングコンサルタント、弓削 徹(ゆげ とおる)でした。

本コラムは、ものづくりの現場での気づきや日々の雑感、製造業のマーケティングや販路開拓に関するノウハウなどをお伝えするものです。 お気づきのことやご質問、ご要望などがありましたら、お気軽にメッセージをお寄せください。

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