展示会の選び方 〜実戦版
展示会の選び方5つ
当たり前ですが、あなたが狙うターゲット層が来場する展示会かどうか、が選択の基準になります。
その判断のためには、自社商品のウリがきちんと特定できていることが前提になります。
そして、ウリとターゲットは不可分です。
たとえば「これがウリだから、ターゲットはここ」、あるいは「今回はこのターゲットを狙うのでウリはこれを言う」のように。
ウリやターゲットが明解になると、展示会の候補が浮かび上がってきます。
その際の、選び方のコツを5つ書きます。
>> 絞る
仮に、自社の技術に対する信頼が厚く、自動車業界や精密機械業界、工作機械やロボットなど顧客層は広いとします。
そうした場合でも、製造業全般が来場するような展示会を選ぶと失敗します。
ブースに掲げるキャッチコピーも焦点を絞れない表現になりやすく、反応率が落ちます。
それよりも、「今回は医療分野を攻めよう」と絞り込み、医療系の展示会に医療向けのウリを訴求して出展するほうが具体的な商談が生まれやすくなります。
>> ズラす
あなたの業界にも「出展するならコレ」という定番の展示会があると思います。
たとえば太陽電池の展示会には「太陽電池展 PV EXPO」という定番があります。
では、太陽電池を扱っている中小製造業がここに出展するとどうなるか。
当日、展示会場では京セラやサンテック、シャープ、パナソニックといった大手メーカーのブースが太陽電池を大量に展示している。
そこへ無名企業が1コマ、2コマのブースを出展したところで注目されず、完全に埋もれてしまいます。
それよりも、太陽電池が設置、売買される現場に近い展示会はないかと考えてみてください。
太陽電池はビルの屋上や壁面に設置されるので、建材のようなもの。
そこで、「建築建材展」に出てみたらどうだろうか。周囲の木工やガルバリウム鋼板を紹介する企業のなかで、エコ系ブースとして目立つのではないか。
あるいは、ビルオーナーやマンション大家が来場する不動産/ファシリティ系の展示会はどうだろうか。建物の資産価値を高めたり、空室率を下げたいオーナー向けのソリューション提案ができるのではないでしょうか。
違和感があるほど目立ち、来場者が視線を向けてくれるものです。
あるいは、川上よりも川下の展示会を狙う。
具体的には、最新技術を発表し合うような技術展より、現場で課題解決に供されるようなソリューション展のほうが商談に近くなるのです。
展示会では大胆なズラしに遭遇することがあります。
アパレルやバッグ、シューズメーカーが出展するファッションワールドという展示会に行くと、なぜかカメラ機材メーカーが出展していました。
しかも、そのブースは大賑わい……。
理由を考えてみてください。
実は、その機材というのはオフィスの一隅で商品のブツ撮りが簡単にできるセット。
お気づきのように、アパレルメーカーや通販事業者などは自社商品をキレイに撮影しなければならないときがあるのですね。
そう考えると、出展者も来場者も周囲はすべて見込み客ということになり、ブースが熱気を帯びる理由がわかるのです。
また、食品メーカーが出展する展示会に広告制作プロダクションが出展していたこともありました。
その会社は、食品が美味しく見える動画を制作するサービスを売り物にしているのでした。
というように、当たり前を疑い、ズラして出展することで目立つ戦略を考えてみてください。
>> 主催者のサイトを見る
どの展示会も主催者のウェブサイトがあり、出展者を募集するとともに前回の実績を記載しています。
ここで、来場者の数、属性など実績データや資料を見てください。
主催者にとって都合のよいように書いていることもありますから、ややきびしい目で見る必要があるかもしれません。
これらの資料から、似た種類の展示会同士を比較して決定するのです。
>> 画像検索で雰囲気を知る
私が3ヵ月コースの展示会出展のコンサルティングを依頼されるとき、たいがい出展する展示会の期日は数ヵ月後に迫っています。
自分が以前に来場した経験があればよいのですが、それがなければ主催者サイトをぐるぐると見たあと、展示会の名前で画像検索します。
すると、出展者や来場者の投稿した写真が多数見つかり、雰囲気がよくわかります。
私の場合、よく見るのは出展ブースのレベルです。
この環境で目立つにはどういうブース、色、訴求ツールがよいかと考えるのです。
>> 来場してみる
もちろん、いちばんよいのは実際に来場者として展示会に行くこと。
終了してしまっていたら仕方がありませんが、日頃から自社ビジネスに関連のありそうな展示会には来場しておきたいですね。
続いては、出展するべき展示会をそもそもどうやって探すか。
次回です。
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製造業のマーケティングコンサルタント、弓削徹でした。
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