クラブハウスに足を踏み入れて

クラブハウスに足を踏み入れて

新しいSNSであるクラブハウスが話題です。

私も、市場調査を兼ねてちょっと入ってみました。

 

クラブハウスって何ができるの?

クラブハウスは、「会話型のツイッター」とも、「画像のないZOOM」とも言われているSNSです。

「クラブハウスって何かできるの?」に対する説明は下記のようになります。

(1)まず、誰かがテーマを決めて開設した「ルーム」で、しゃべる人や回す人(モデレーターと呼ぶ)たちが会話をし、それをルームに入った人が聴く

イメージとしては、5人がしゃべっているのを30人が聴く、というようなスケール感です、たとえば。

(2)聴いていた人が(私も話したい!)と手を上げることができ、それをモデレーターが承認すれば会話に加わることができる

あるいは、モデレーターが「知り合いが入ってきたので上げますね」と指名し、当人が承認すればやはり話し手になることができます。

(3)各人は下のようなプロフィールページを持っていて、相互に見ることができるので、面白そうな人、つながりたい人がいれば「フォロー」をすることができる

(4)今後は下記のような「課金」ができるようになる(らしい)

●ルームに入るのが有料
●イベントのチケットが売られる
●話し手に投げ銭

きっと、今後はYouTuberのようにクラハーだかクラブハウサーが出てくることでしょう。

 

 

なぜクラブハウスが人気なの?

盛り上がりの理由その1は「招待制」であること。

招待がなければアプリを利用できず、めでたく招待された人は2人しか招待ができません。
(一時は、「招待」の権利がメルカリなどで1万円で売買されていました)

これはいわゆるディマーケティングですね。
飢餓感をあおって深くコミットさせる典型的な手法です。
(新規開店時、わざと12時30分には売り切れてしまう分量しかパンを焼かないパン屋さんの戦術ですね)

そしてその2は、著名人、芸能人も平民(!)も、等しくつながって話せること。

昨夜は、幻冬舎の見城徹さんが、石原慎太郎さんとの出会いから人となり、ため息の出るようなエピソード、そして話題になったテレ朝のドラマ「M」ができるまでの経緯とバックストーリーなどを惜しげもなく語っていました。

その3は、音声のみなので、寝ぐせがついていようと、ノーメイクだろうと問題ないこと。

その4は、コロナ禍、緊急事態宣言下のため、(人と話したい、会いたいけれどできない!)という人が山ほどいること。

(あくまで私見です。本格的なまとめはそのうち出てくるでしょう)

 

クラブハウスは今後どうなっていくの?

さて、クラブハウスは「急にかかってこない電話」のようでもあり、知り合いが話しているのを聴くなら「プロ野球ではなく知り合いの草野球を見る」感じでもありますね。

私も、一方的に有名人として認識していた和田裕美さんとダイレクトに話せたり、キャッチコピー本で競合しているさわらぎ寛子さんと仲良くもなれました。

これは、ツイッターやfacebookがはじまったときの効用&高揚と同じ匂いがしますね。

ちなみにクラブハウスは、facebookよりツイッターやインスタグラムとの親和性が高く(プロフィール下部に両者のリンクが置ける)、コンテンツを発信している人は同時にツイッター、インスタを充実させていくとよいでしょう。

 

特徴的なのは、「クラブハウスの住人」ともいうべき人が出てきており、文字通り入りびたっています。(そのため、早くも「クラブハウス疲れ」がささやかれています。)

1ルームあたりの定員上限は5,000人なのですが、「朝まで生テレビ」と称して田原総一郎、稲田朋美、津田大介などが討論しているルームは満員で入れませんでした。

こうした多人数が入っているルームでは頻繁に聞き手が出入りします。

ルームの最下段(行列の最後尾みたいな位置)を見ていると、バンバン人が減り(上方へズレていく)、ドンドン人が入ってくる(下部についてくる)ことがわかります。

話されている内容がつまらなかったり、グタグダと意味不明になってくると出ていく人が加速し、書籍レベルのノウハウやキーワードが話されていると人がぐんぐん定着していきます。

まるでテレビの毎分、いいえ毎秒視聴者数の増減を見える化しているようで、おもしろいビジュアルです。

 

人の自由時間は一定ですから、いまYouTubeやfacebookの利用時間が減少していることが予想されます。

そのため、facebookでは同様の音声サービスをリリースする予定だとか。
なんでも取り入れようとして肥大化するのは終わりのはじまりですね。

とはいえ、現在クラブハウスを利用できるのはiPhoneユーザーのみ。
これは音声品質によって決まったそうです。

考えてみれば同アプリの、タイムラグがほとんどなく、同時に話しても声が通る技術開発はたいへんだったと思います。

 

新SNS、クラブハウス──。私自身はちょっとクラブ活動に飽きてしまいましたが、今後1年くらいは新規ユーザーも増え、相当に盛り上がりそうです。

 

追記 : 著者の友人に誘われてクラブハウスのルームをつくることになりました。
iPhoneユーザでクラブハウスにいる方は覗いてみてください。
2021年 2月18日 夜8時 です。

 

 

製造業のマーケティングコンサルタント、弓削 徹(ゆげ とおる)でした。

 

本コラムは、ものづくりの現場での気づきや日々の雑感、製造業のマーケティングや販路開拓に関するノウハウなどをお伝えするものです。 お気づきのことやご質問、ご要望などがありましたら、お気軽にメッセージをお寄せください。

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