キャッチコピーの極意 〜キャッチコピーの類型⑦
キャッチコピーの類型の7回目。本記事が最終回です。
今回は、意外な主張をしてインパクトを与え、注目してもらう手法です。
単なる意外性だけではなく、知られざる真実を告げたりすることも含まれます。
⑦【逆説系】 → 意外な主張で振り向かせる(5パターン)
(1)逆説を唱える
食品なのに、「まずい!」なんていわれると思わず引き込まれてしまいます。
世間の常識とは異なる物言いは、ある意味、キャッチコピーの基本かもしれません。
「あー、まずい! もう一杯」
「諸君、学校出たら勉強しよう」
学校で勉強をしない学生が多いのは、もはや一般的であり、逆説にはならないかもしれませんね。
(2)意外な事実を言う
こちらも、言われてみればハッとする事実で興味を引くというもの。
「窓は熱の出入り口」
「家は路上に放置されている」(セコム)
かつて洋酒業界に波紋を呼んだのが次のキャッチコピーです。
「工業用アルコールは一切使用していません」ウイスキー
まるで他メーカーのウイスキーは“工業用アルコール”を使っているかのような表現に、他メーカーが黙っておらず、CMはすぐにお蔵入りとなりました。
(3)意表をつく組合せにする
当たり前の言葉でも、組合せ次第では意外な主張になります。
「大人の修学旅行」
「建て主の後悔」建材メーカー
「会いに行けるアイドル」
漫才のコンビ名も意外な言葉の組合せが多くみられます。
というか、むりやりに作っているケースも散見されますね。
[南海キャンディーズ]
[ブラックマヨネーズ]
(4)弱点を明かす
あえて弱みを見せることで信頼が生まれたり、安すぎる価格の理由がわかって安心したり、といろいろな効果があります。
「仕入れすぎてしまいました」
「生産終了品なので激安です」
一時、ツイッターでよく見られた「一ケタ間違えて発注してしまったので協力して!」は、もう通用しないかもしれませんね。
「高い靴だ、と言われます」
高すぎることも弱みのひとつ。それでも価値のわかる人には買ってもらっています、という余裕が透けて見えます。
(5)一歩引いてみせる
売れるのは、よい商品よりもよさそうな商品。
それを演出するのがキャッチコピーの役割です。
売り込みが嫌われる半面、一歩引いてみせると、なんだかよい商品を買い損ねたような気がしてくるものなのですね。
「最初は、ふつうの卵とどこが違うの?って思ったんです」
「やせたくない方にはお売りしません」
「他のコンサルタントを試してからご依頼ください」
注文が欲しいはずなのに、お断りするという意外性が、商品の品質をよさそうに見せたりします。
たった数語の言葉によってインパクトを与えられるのは、まさにキャッチコピーの面目躍如であるところですね。
見かけ倒しにならないよう、商品・サービスにきちんとした本質があることも大切になります。
製造業のマーケティングコンサルタント、弓削徹でした。
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