キャッチコピーの極意 〜キャッチコピーの類型⑥

キャッチコピーの極意 〜キャッチコピーの類型⑥

キャッチコピーの類型、第6回。
今回は、キャッチコピーの表現によったパターンです。

 

ふだん、キャッチコピーを書きなれない人にとってのキャッチコピーのイメージとは、今回のパターンではないでしょうか。

 

カッコいい言い回しや言葉遊び、ダジャレなどで注目してもらう。

ダジャレコピーはほめられたものではありませんが、やはり憶えてもらいやすく、くすりと笑ってもらうことにもなり、効果を発揮します。

ただし、有名企業のヒットコピーをマネして書き、プロっぽいキャッチコピーができあがったとしても、結局は「どこかで見たなぁ、聞いたなぁ」と感じられてウソくさくなることも多いので注意が必要です。

 

⑥【表現系】 → 表現手法を工夫して印象を強くする(5パターン)

(1)ダジャレにする
このダジャレで爆笑をとろうということではありません。それでも、上に述べたようについ笑ってしまい、記憶してしまうものです。キャッチコピーは、とにかく記憶してもらえたら及第点。印象に残るダジャレを考えてみましょう。

「いってみヨーカドー」

「あー、もー…どーしよー、アーモンドしよう」

ご覧のように、決してレベルが高いとはいえませんね。でも、それでいいのです。ちょっとバカにされるくらいが、よい距離感なのです。

「ネクタイ労働は甘くない」
「幸服を買う」

それに対して、よくできたダジャレコピーを作りつづけた有名コピーライターが眞木準さんです。このほかにも、「でっかいどう、北海道」や「裸一貫、マックロネシア人」なんて名作がありました。

弓削のダジャレ作品。
「ジャムで味わう果実力」(雪印Dole)

 

(2)リズム感を出す

日本人の耳は、年々繊細になっているといいます。それゆえ、ご近所での騒音トラブルなども顕在化しやすくなっているのかもしれません。

リズム感のあるキャッチコピーは、大手企業のテレビCMで流れるようなフレーズであれば、小学生が憶えてくれたりしますね。

「インテル、入ってる」
「セブンイレブン、いい気分」

「NO MUSIC, NO LIFE.」

「あしたのもと、味の素」

 

最後に弓削の作品を。

「秋たけなわ、味たわわ」(すかいらーく)

大手企業でなくても、地元のラジオCMや、店内放送で流れるなら効果的です。

もっといえば、音声にならなくても、見込み客が心の中で黙読してくれて、リズムの良さを心地いいと感じてくれれば成功です。

 

(3)記号を使う

そもそもキャッチコピーに記号は使われませんので、記号があるだけで目立ちます。

「角÷H2O」サントリー

「□い男を○くする△」伊勢丹

音楽記号や化学記号なども、状況によっては使えるかもしれません。ただし、専門的になりすぎ、読めなくては意味がないので注意が必要です。

 

この項でも最後に弓削の作品(企業スローガン)を。

「技術×素材=笑顔2」ユニテックフーズ

 

(4)決まり文句を使う

昔からキャッチコピーに使われ、さんざん手垢がついている定番的表現を使います。

それでも、キャッチコピーらしく着地しますので、アイデアを出す時間がないときには有効かもしれません。

「ザ・〜」 「〜宣言」 「〜主義」 「〜学」 「〜気分」

「〜する方法」 「発表します!…」

「なんと、いまなら〜」 「〜の数だけ〜がある」

 

(5)強い言葉を意識する

私が駆け出しのコピーライターだった頃、よく広告代理店の担当者に言われたダメ出しが「コピーが弱いね」というもの。

以来、強い言葉、キレのある言葉、ふつうはキャッチコピーに使わない言葉を、と追い求めてきました。

以下は、その強い言葉のパターンです。

 

(a)具体的な数字をきっちり出す

「〜を99.9%カット」「100人乗っても大丈夫!」「10歳若く見られるメガネ」

 

(b)オノマトペ (擬音語・擬態語) で臨場感を出す

「さらりとした梅酒」を「キンキンに冷やしてゴクッと召し上がれ」

その他にも、とろーり、ふわとろ、うるうる、もっちり、などもありますね。

 

(c)心情に触れる言葉をフックにする

「TVで紹介されました」「建て主の後悔」

 

(d)初耳の言葉で興味を引く

「タウリン1000mg配合」「ZOOM、ZOOM」

 

(e)お悩み・課題ワードで引きつける

「肌荒れ」「ダイエット」「コスト削減」

 

(f)違和感のある表現で注目させる

「いまは買うな!」「くさる化粧品」

 

(g)方言で体温を感じてもらう

「たっすいがはいかん」「こじゃんとうまい」

 

(h)流行語・ニュースに便乗してニヤリとさせる

「ひょっこりはん」「そだねー」「大迫、ハンパないって」

「東京オリンピック」

 

 

 

製造業のマーケティングコンサルタント、弓削徹でした。

 

本コラムは、ものづくりの現場での気づきや日々の雑感、製造業のマーケティングや販路開拓に関するノウハウなどをお伝えするものです。 お気づきのことやご質問、ご要望などがありましたら、お気軽にメッセージをお寄せください。

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