キャッチコピーの極意 〜キャッチコピーの類型⑤
キャッチコピーの7類型、第5回目となりました。
今回は、「演出系」。キャッチコピーを梃子(テコ)に、物語をつむぎだしたり、フックの効いた舞台設定を用いてお客様を引き込む手法です。
キャッチコピーの役割のひとつに、本文(続き)を読みたくさせる、というものがあります。
なかなか長文を読んでもらえない時代に、「これは面白いかも」と感じさせることができれば強いチカラとなりえます。
⑤【演出系】 → 印象的な演出手法で伝える(5パターン)
(1)質問する
人は、質問をされると、つい反応したり、答を考えてしまう生き物です。
そこを見込んでの、「?」で終わる文章表現パターンです。
「彼が就活に成功した理由を知りたくありませんか?」
「最近、感動しましたか?」
単純にクイズを出し、「答はこちら!」と表示してクリックをしてもらうやり方も、リスティング広告などでは威力を発揮します。
(2)続きを読みたくさせる
ウェブなどでは文章を「読む」のではなく、「見る」のだ、などと言われます。
そこへ、自分の気になる情報や、面白そうな話を振られると、その先が気になってしまい、説明ボディを読み進めてくれる、というわけです。
「投資家によくある3つの間違い教えます」
「大学に合格した僕に母が送ってきたメールとは…」
上の(1)と同様に、リスティング広告などでクリックをしてもらいたいときに有効な表現です。
(3)ドラマ仕立てにする
小説の一節のようなドラマチックな語りで、しっとりと読み手を引き込んでいくやり方です。
「マティーニを3杯飲むうちに街は雪になった」
「私がピアノの前に座るとみんなは笑いました。でも、私が弾きはじめると…」
とくに2本目は、米国で伝説となったキャッチコピーで、同巧の広告が多くつくられています。
(4)商品に語らせる
商品そのものに人格を与え、語らせるものです。
商品の体温が伝わり、セールス感が薄れる効果もあります。
「3週間も寝かせて熟成してもらいました!」
「僕、ケガしてるけど誰か連れて帰ってね」
2本目のキャッチコピーは、リサイクルショップなどでキズがある商品のPOPにぴったりでしょう。
商品ではない登場人物に語らせたキャッチコピーとしては、
「おしりだって洗って欲しい」
が有名ですね。
(5)小出しにする(ティーザー)
「ティーザー」とは「じらす」こと。
大企業の広告で使われることの多い手法ですが、情報を小出しにすることで期待を盛り上げ、注目度を高めていこうとするやり方です。
「あなたはまだ、何も見ていない!」
「4月1日、○○のすべてが変わります」
より詳しい情報を届けるために、「続きはネットで!」「○○で検索してね!」というメッセージも、よく使われます。
製造業のマーケティングコンサルタント、弓削徹でした。
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