キャッチコピーの極意 〜キャッチコピーの類型③
キャッチコピー表現の7類型、の第3回目です。
今回は、自社や商品の実績、評価で勝負をするという切り口です。
日本人は権威に弱いので、外国で評価されている事実や、著名人が使用しているという情報に接すると、いっきに購買意向が高まるという傾向があります。
その他でも、「他社では製造できない、取り扱えない商材ですよ」という希少性などもここに含めています。
③【実績系】 → 自慢の実績や評価で勝負する(5パターン)
(1)実績を宣言する
どれくらい売れている人気商品なのかを訴求するものです。
「楽天市場でいちばん売れています!」
「モンドセレクション金賞に輝きました!」
ここでは「1位獲得」や「販売実績3,000個達成!」などのように具体的な数字を用いるのも効果的です。
「購入者の88%が満足と回答」のような評価の数字も、安心感につながるでしょう。
(2)お墨付きに頼る
評論家や有名人が認めた、となると「それなら買っても安心だ」となりやすいのが国民性です。
「シェフが選ぶシステムキッチン」
「歯科医が勧める歯ブラシです」
そういわれると、品質がよいのではないか、効果的な商品なのでは、と考えてくれる人がいるのですね。
かつては「小泉今日子さん推薦!」で売れた童話や絵本がありました。
また、海外からの、逆輸入的な評価に弱いのも日本人の特性です。
「世界7ヵ国で人気」
一時期、流行したのが「NASAで採用された…」というやつですね。
(3)お客さまの評価を伝える
ここでいうお客様の評価は、いわゆる生の“お客様の声”ではなく、過去に買ってくれた人の心理を代表するつぶやきです。
つまり、ニーズのコトバ化、をするということです。
「なんでそんなに元気なの?って訊かれるんです」
「梅雨時の洗濯物ってニオイが気になる」
あの大ヒットキャッチコピーである「そうだ 京都、行こう」も、平凡な日常にあきた人の内なる声を代表したものです。
(4)希少性を訴える
なかなか手に入らない、希少価値のある商品をご提供しているのですよ、と主張するわけですね。
「1頭のサメから200gしかとれません」
「幻の銘酒がついに蔵出しへ」
そういえば、“マボロシ感”を出そうとしてわざと出荷量を抑え、叱られた蔵元もありましたね。
商品そのもので希少性を出せない場合、流通を絞るという方法もあります。
「一部のヘアサロンでしかお求めになれません」
「エグゼクティブ会員しか参加できないセミナーです」
(5)ランキングを提示する
多くの人が選んでいるのなら間違いないだろう、と考えて、手を伸ばしてくれるのがお客様の心理です。
「発表! 東京圏売上ベスト3」
「当店人気ランキング連続1位」
ある商品が自店内に限り2〜3ヵ月連続で売上1位になるなんてよくあることで、実はあまりたいしたことではないのですが、なぜか説得力がでます。
他者の目を気にするのが島国日本のメンタリティ。
どこのお店でも、「売れてます!」と赤字で書かれた“既製品”のPOPをよく見ますが、これがけっこう効くのです。
製造業のマーケティングコンサルタント、弓削徹でした。
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