オンライン展示会への提言
CEATEC 2020のオンライン展示会に「来場」しました。
今年のCEATECは??
あの華々しい展示会場で知られるCEATECDも、今年はオンライン展示会での開催となってしまいました。
そのオンライン展示会に来場しましたので、所感をレポートしたいと思います。
まず、ウェブサイトのデザインですが、黒い背景や濃厚なイメージ写真の多用で、迷子になりました。
さまざまなかっこいいテーマ( ↓ ニューノーマル・ソリューションズとか)を設定しすぎていて、普通に見られず、どこから企業のブースへ行けばいいのかわかりづらいデザインでした。
リアル展示会でも「カッコいい」CEATECですから、オンライン展示会になってもスタイリッシュでありたかったようです。
しかし、黒ベタ地に小さな白抜き文字群なんて、「読みにくいからNG」とされてから何十年経ったと思っているのでしょうか。
そんな文字列にお目にかかれるのは、いまや個人の怪しい趣味サイトくらいのものです。
動画も置かれていて気軽に見られますが、情報の発信側の視点でつくられたサイトにしか見えないのです。
ということで、出来の悪いカタログページのようなデザインでした。
企業のブースへ至るページも、広告バナーが貼られているだけ。
企業ブースを選択するリンクが、名刺広告のようなページもありました。
広告原稿のようにアピールしてくるものだと、リンク先で情報というより広告を見せられるようで躊躇してしまいます。
それぞれの企業ページも記事サイトのようなつくりで、無意味なイメージ写真が大きくレイアウトされていたりします。
CEATECは「お付き合い」で出展している大手企業が多いのだなと、改めて感じたところです。
もっと切羽つまってないと、ほんとに。
オンライン展示会はどうあるべきか
最近は、週1回ていどのペースで展示会セミナーで講師を勤めさせていただいております。
「オンライン展示会では、どうやって出展準備をしたらいいかわからない」。
そんな声を、展示会セミナーでお会いする出展者や商工会議所の指導員様からとても多く聞きます。
この悩みは、じつは展示会主催側も同じで、
「どういう展示会サイトを構築したらよいかわからない」のです。
多くの主催者は、「バーチャルブース体験をしてもらおう」とは考えておらず、単に「展示会に出すはずだった商品情報を閲覧できるページを企業ごとにつくる」ことに終始しています。
その展示会サイトを主催団体から受注するウェブ制作会社側も、もちろんわかっていない。
背景にあるのは、
■リアルな展示会主催者にはウェブサイト構築のノウハウがない
■メディア各社が展示会主催となる場合でも部署が異なるのでウェブサイト構築は不慣れ
ということなのです。
各オンライン展示会がまともなウェブサイトを構築できるようになるのには、おそらく今から1年ほど ( ! ) かかると思います。
でも、その頃にはコロナ騒ぎも終息していて、オンライン展示会に対するニーズも一段落しているのではないでしょうか。
オンライン展示会5つの提言
目下、オンライン展示会を企画する主催者に申し上げたいのは、以下の5つの要素を検討・搭載してほしいということです。
(「提言」というほどの大げさなものではありませんが (*^_^*)汗> )
1・参加者がトップページにアクセスするたびに出展企業をランダムに表示させ、偶然の出会いを演出してほしい。
2・ある企業のブースを訪れたとき、左右ゾーンに近似企業のブースが見えるようにしてほしい。
3・検索機能を強化し、来場者が(まずはニーズワードで検索しようか)と行動できるように促してほしい。また、検索対象になる文字情報範囲を最大限に拡大してほしい。
4・ふつうの特集ページのような静的なデザインは避け、展示会に来たのだと感じる3Dライクなしかけを構築してほしい。
5・発注先のウェブ制作会社とともに、立体的な展示会のあり方を討議、検討してほしい。
「↑ 偶然の出会い」は、リアル展示会のよいところですよね。
このことは本で言いますと、Amazonもいいけれど、思いがけない本との出会いがあるのがリアル書店のよいところ、ということになりますから。
展示会の主催者と意見交換する機会が多いため、こうしたことは折に触れて直接お伝えしていくつもりです。
オンライン展示会をよりよいものにしていく一助となれば幸いです。
ということで、来月(2020年11月16日より)には、工作機械の展示会・JIMTOFが、やはりオンライン展示会で開催されます。
こちらも楽しみにしておりまして、また来場レポートをお届けしたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
製造業のマーケティングコンサルタント、弓削 徹(ゆげ とおる)でした。
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