ウチがつくっているのは「製品」か「商品」か?

ウチがつくっているのは「製品」か「商品」か?

ものづくり企業にとって、「ウチの製品は……」と言うべきか、それとも「ウチの商品は……」と言うべきか。

そもそも、これらはどう違うのか?

あまり、用語の違いなどには無頓着な私ですが、軽く言葉の違いについて書きたいと思います。

 

「製品」「商品」は、つい混同して使用してしまいがちですが、本当は使い分けなければいけないものなのでしょうか。

これについて、一般的によく見かける定義は、次のようなものです。

 

「製品」とは、できあがったままの、荒削りなモノ。

それを、お客様が魅力を感じるモノ、差別化された状態にまで仕立てたモノが「商品」。

 

使用例文で見てみましょう。

「この製品は、商品としての価値がない」

これを聞くと理解しやすいですね。この逆の言い方は成立しないわけです。

また、加工下請けやサービス、システムなどカタチのないもの、農作物のように製造されないものも、商品と呼ばれることになりますね。

参考) 保険商品、金融商品、という言い方も。

 

マーケティング業界でも、「新製品開発」よりも「商品開発」のほうがなじみ深い感もあります。

少なくとも、検索回数は「商品開発」の方が多い。(※googleとYahoo!の月間検索回数合計)

(新)商品開発 …… 7,721回

(新)製品開発 …… 1,782回

 

開発する以上は、「よい製品」より、「よい商品」をめざしてもいいですよね。

 

また、次のような親子関係も、よくみられます。

  製品名    →   商品名  →  商標登録企業

 デジタルカメラ    デジカメ     (旧・三洋電機)

 プラスチックモデル  プラモデル    (マルサン) 

 セロハンテープ    セロテープ    (ニチバン)

 クレヨン       クレパス     (サクラクレパス)

 宅配便        宅急便      (ヤマト運輸)

 

いわば、一般呼称 → 登録商標 の関係ですね。

後者は企業固有の「ネーミング」であって、以前のNHKでは放送不可でした。(例 : 真っ赤なポルシェ→真っ赤なクルマ)

 

その他に、弓削がしっくりくる定義として、

■お客様にダイレクトにモノを販売しない製造業の社内では「製品」、

  お客様に直販する会社や店舗など流通業では「商品」と呼ぶ

も、つけくわえておきます。

 

 

製造業のマーケティングコンサルタント、弓削徹でした。

 

本コラムは、ものづくりの現場での気づきや日々の雑感、製造業のマーケティングや販路開拓に関するノウハウなどをお伝えするものです。 お気づきのことやご質問、ご要望などがありましたら、お気軽にメッセージをお寄せください。

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