なぜ製造業に不祥事が止まらない?
なぜ誠実な人の多い製造業の現場で不祥事が相次ぐのでしょうか。
まず、大手製造業では最高益を計上するなど好調です。
それは主に次のようなことが根拠、要因です。
・円安による輸出好調
・輸出による消費税還付拡大
※(拡大には消費増税分も含む)
・下請けへの値下げ要請
このうち、とくに自社内や下請けへの「値下げ要請」、つまりムリなコストダウン要求が問題です。
上からの命令、または元請けからの要請により、現場ではその“目標・ミッション”を達成するために安全性の軽視や偽装、データ改ざんがおこなわれてしまうのです。
世代交代で負の連鎖を断ち切る
目標やミッション(チャレンジという社内用語が横行していた事例もありました)という名の命令のもと、行き過ぎたコスト削減や、開発期間の短縮を達成しようとする。
そのために必要な工程を飛ばしたり、実験や実証のプロセスを省略してしまうというわけです。
基本的にものづくりの現場には、上司や元請けからの命令に素直に従う文化があります。だからこその“犯罪”なのです。
しかし、こうした発想が次の若年世代に通用するでしょうか?
通用しないからこそ、内部告発が起きるのです。
国内製造業は、これまでの構造を改めない限り、改ざんや偽装はなくならないでしょう。
そして、その告発も止まらないでしょう。
国内製造業は、どこかでこの負の連鎖と向き合い、すっぱりと断ち切ることが必要なのです。
製造業マーケティングコンサルタント、弓削 徹(ゆげ とおる)でした。
本コラムは、ものづくりの現場での気づきや日々の雑感、製造業のマーケティングや販路開拓に関するノウハウなどをお伝えするものです。
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