中止・延期となった展示会一覧
日刊工業新聞社のニュースメルマガを読んでいて、あらためて愕然としました。
メルマガにリンクのあった「中止・延期となった展示会一覧」のページを見ましたところ、なんとじつに317件の展示会がこれまでに中止・延期となったということでリストが上がっていたのです。
数万人の来場者を集めるようなメジャーな展示会をはじめ、初耳のかわいい展示会まで、317件ですよ。
そもそも、東京オリンピック開催の波を受けて、東京ビッグサイトが1年半くらい使用できないということで、幕張メッセやパシフィコ横浜へと転出したり、名古屋や大阪へ分散されたり、あるいは新設の青海展示棟へ移転したりと、展示会開催は散々の状況でした。
展示会がメインの仕事場という人たちは失職状況に困惑し、老舗の設営業者さんにいたっては「これを機会に廃業したい」とまで言い出す始末。
だいたい不思議なのは、オリンピックは1ヵ月もやらないのに、プレスセンターは2年近くも場所を占拠するということ(現在開催予定2021年7月23日〜8月8日、パラ8月24日〜9月5日)。
青海新展示棟を建設できたのだったら、最初からそこをプレスセンターに最適化して建築したらよかったんじゃないのか??
まったく得心がいきません。
そこへもってきて、この武漢コロナ禍です。
展示会関連業者さんが困るのみならず、主催者も弱り、展示会で見込み客と出会えるはずだった中小製造業も大いに悩むのです。
私の支援先は、1回の出展で3,000万円以上の売上を見込んで販売計画を立てています。
結局、困る企業がすべて中小企業であったため、その声はかき消されてしまったのです。
仮に、1回の展示会に平均196社(出典:日本展示会協会統計)が出展し、平均売上500万円(一般企業の平均はこれくらいでしょう)を見込むとして、300回をかけると、失われた売上の合計金額はおよそ3,000億円にもなります。
大企業にとっては大したことのない金額でしょう。しかし、中小企業にとっては死活問題です。
これに、上記の主催者や設営業者さんなどを含むと、その金額は巨大に膨れ上がります。
日本展示会協会では、合計の損失を4兆円にのぼると試算しています。
展示会主催大手のリードさんも、恐るおそる開催再開の予定を告知し、9月開催は出展企業の申し込みがよくなくて頭を抱えています。
弓削の支援先企業も9月開催への出展には二の足を踏み、10月以降のしかも大阪開催を選択する方向。
武漢コロナとオリンピック延期により、中小製造業のビジネスは粉々にされようとしています。
製造業のマーケティングコンサルタント、弓削 徹(ゆげ とおる)でした。
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