ネーミング作成の9ステップ
本記事では、ネーミング作成の手順についてお伝えします。
ネーミングを考えるとき、あっという間にアイデアが降ってきてしまうことがあります。
でもそれは、案件を抱えたときから無意識の領域で脳が思考を進めていてくれた結果だと思います。
しかし、ヌケ・モレなくネーミングを作成するなら、やはり万全の態勢で考えていく必要があります。
その手順には9のプロセスがありますので、ぜひ活用してみてください。
●企画の4ステップ
(1)商品のコンセプト、メリット、特性をキーワードに書き出す
これは、ネーミングを考えていくときの核となるキーワードを抽出する段階です。
商品のウリがきちんとわかっていることが前提となります。
凝ったネーミング、面白いネーミングはいいのですが、それによって意味が伝わらなければ、ただのサウンド──言葉の響きです。
理想的なのは、そのネーミングを聞いた人がどんな商品かがわかることです。
面白くて伝わる。それがよいネーミングの条件です。
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(2)ネット辞書を活用して類語をモレなくピックアップする
伝えたい内容に近い言葉、類義語を探します。
自社の商品については固定観念が出来上がってしまっていることも多く、ユーザーがイメージする言葉とズレているケースも少なくありません。
あらためて学習する気持ちで調べてください。
また、ネットで検索される回数の多い言葉や共起語(その言葉とともに文章に使われることが多い言葉)なども調べ、ユーザー目線で適切な言葉をチェックします。
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(3)コンセプトが伝わりやすい言葉を絞り込む
ノートなどに書き出した類語や共起語などから、メインで使うべきキーワードを選びます。
キーワードは多ければ案がたくさんできますが、あまり多すぎても作業量がムダに増えてしまいますので、5語ていどに絞り込むのがよいでしょう。
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(4)発想のレシピを活用してネーミング案を出す
弓削が提案している発想のレシピは16あります。
「合体する」「人に例える」「接尾語をつける」「音にこだわる」など。
これらに従って手を動かしていくことで、さらさらとネーミング案を出すことができます。
発想のレシピ16については、後日このコラム内かメルマガでご紹介しますので少しお待ちください。
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●評価・出願の5ステップ
(5)出てきた案に点数をつけて評価する
点数をつけるのは、客観的な評価を可能にするためです。よく多数決でネーミングを決定する会社がありますが、オススメできません。
大勢の支持を得られる、カドのないありきたりなネーミングになってしまう可能性があるからです。
ここは、いちばん熱を入れている担当者が独断で決定すればいいと考えています。
しかし、それでは客観性が担保できないので、点数をつけるのです。
それは、次の5原則について何点に値するかを5点満点で採点という方法。
当の担当者であっても、日を置いてつけた点数は冷静に評価することができていると思います。
■ネーミング選択の5原則
1 コンセプトに合っているか
2 意味性はいいか
3 画期的か
4 語感はよいか
5 憶えやすいか
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(6)5〜10案に絞り、Google検索と特許庁データベース検索をする
点数が高かった数案ていどに絞り、まずGoogle検索をしてみます。
もし、異分野の商品であっても、メジャーな類似ネーミングがあるなら、マイナスポイントです。
最悪の場合は、商標登録できても不正競争防止法に抵触するケースもありえます。
また、同分野に類似ネーミングの商品があり、それが広く周知されている場合、Google検索の段階でヒットしてしまうこともあります。
そこまでで目立った類似がなければ、特許庁のデータベース検索に進みます。
特許庁のJ-PlatPatは使い勝手はよくありませんが、24時間、無料で使えるデータベースなので有用です。
ただし、このデータベース検索にはコツがありますので、この検索の仕方も後日に1記事を割いて解説します。
→J-PlatPat 商標検索ページ
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(7)3案ていどに絞り、特許庁や弁理士に相談する
登録したいベストなネーミングを含む、どれを登録しても問題のない3案ほどに絞り込みます。
この案をもって、特許庁の2階にある相談コーナーに行き、可能性などについて無料相談をしてください。
お知り合いに弁理士さんがいるなら、その人に相談してください。
そして、登録可能性の高い1案を出願します。
ただし、登録に至るかどうかの判断は俗人的なものであるため、特許庁の審査官によっては登録されたり、逆に登録されなかったりします。
弁理士も、専門はあくまで特許の特定一分野ですので、商標登録について詳細な知識を持っている人はほとんどいません。
ですので、弁理士が登録を請けあっても拒絶されることがありますし、「登録できない」と断言されてもすんなり登録できることもあります。
弁理士の意見はあくまで参考に留めておいてください。
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(8)拒絶があった場合、対応策を打つ
すでにとんでもない件数の商標が登録されている日本ですので、4字、5字くらいのネーミングであれば、何を申請しても何かと類似しているといえます。
そのため、拒絶通知が来る可能性はどんどん高まっているともいえます。
事務所を構えている弁理士と、最低価格で申請を請け負うネット弁理士との違いは、拒絶通知が来たときにも適切な対応をしてくれるかどうかです。
■拒絶通知が来たときの対応策4つ
1 意見書や補正書を提出して、再度、審査をしてもらう
2 3案のうちの別案に切り替えて申請する
3 ネーミングの語尾などを加工、変化させる
(※とくに類似があったり、一般用語なので登録できないとされた場合)
4 類似商標を所有する企業から使用権などを買い取る
(※とくに他者が同一商標を登録していながら使用していない場合)
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(9)登録を待ちながらロゴデザインを起こし、使用しはじめる
近年、商標登録成立までの期間は短縮化しているようです。
拒絶がこなければ、登録できると想定してロゴデザインを制作します。
そして、正式成立以前であっても、類似拒絶の来る時期が過ぎていれば、使用をはじめてもまず問題はないといえるでしょう。
製造業のマーケティングコンサルタント、弓削 徹(ゆげ とおる)でした。
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