キャッチコピーの極意 〜キャッチコピーの類型④
キャッチコピーの表現、7類型の第4回目です。
いよいよ第4回目です。お問い合わせをいただきました方がた、ありがとうございます。
さて、今回はお客様のニーズを顕在化してみせる、お悩みを解決できる商品・サービスがあることを気づかせてあげるパターンです。
(こんな商品、私には関係ないわ)と思い込んでいる見込み客に、「買ってみたら便利」「試したら美味しい」と気づいてもらうことができれば、市場性は一回り大きくなります。
④【必要系】 → 最も必要とするお客様へ訴える(5パターン)
(1)ターゲットを名指しする
「自分ごと」として受けとめてもらえれば人は動く、といわれます。
「みなさん!」と呼びかけても雑踏を急ぐ人びとは誰も反応しませんが、「山田さん!」と呼びかけると、確実に二人、三人は振り返ってくれる、というものです。
「仕事ではクルマを使わないあなたへ」
「最近、よく眠れないあなたに」
近年、不眠を訴える人は6割を超えているといいますから、多くの人が投網に引っかかる絞り込み方ではあります。
「肌トラブルのない方にはお売りできません」
などは、機能性を訴求しながら、ターゲットを絞り込んでいるようで絞り込んでいない、という好例です。
(2)ソンをしたくないと思わせる
一般的に、人は「おトクな話がありますよ」といわれるより、「あなた、いまソンをしているのではないですか?」と囁かれるほうが強く反応してしまう、という心理ですね。
「高い買い物をしていませんか?」
「敷金が還ってくる人、来ない人」
「損してまっせ、あなたのゴルフ」
いずれも、心当たりのある人はドキッとしますよね。
(3)危機感をあおる
ウェブの、長〜いランディングページなどであおり系のキャッチコピーをよく見ます。
しかし、あおりすぎれば不信感を生み、ビジネスは長続きしないでしょう。
ほどよく危機感を感じてもらうのが、この表現法です。
「髪は、毎日のシャンプーで傷んでいる」
「英語教育は3歳までに決まる」
私はシャンプーなどヘアケアメーカーの支援先が複数あり、どうして髪が傷むのかについてはちょっとうるさいのですが、いずれにしましても、ふつうのシャンプーで毎日、洗髪していたら傷みます。
基本的には(ウチの商品を選ばないと)ひどいことになります、と主張することが骨子です。
(4)必要性に気づかせる
隠れていた商品ニーズを顕在化させるメッセージは、キャッチコピーの大きな役割の一つです。
「あなたの耳ウラ、迷惑をかけていませんか」
「その胸ヤケ、逆流性食道炎ではありませんか」
ニオイ系の商品は、本人が気づきづらいということもあり、気づかせる系のキャッチコピーになりがちです。
また逆流性食道炎は、昨年、私自身も病院でそう診断されて驚きましたが、ただの胸ヤケ、二日酔いと思っていたところへ病名をつけられてしまいますと、「あれ、薬が必要かな?」と考えるようになったりするものですね。
(5)解決策があることを教える
まったく新しい商品の場合、それで自身の課題を解決できると気づいていない見込み客も多いわけです。
そこで、ニーズの掘り起こしから着手しなければならないわけです。
「最近、電動自転車のバッテリーがすぐ切れる…という方へ」
「インソールで姿勢がよくなるって、マジすか?」
課題やお悩みが解決できるなら高額でもかまわない、という切実なニーズに結びつくことも多いので、新商品の導入期には効果を持つ表現です。
製造業のマーケティングコンサルタント、弓削徹でした。
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