キャッチコピーの極意 〜キャッチコピーの類型②
キャッチコピーの表現を類型で網羅する記事、の2回目です。
全7回の予定です。
今回は【断定系】。
日本人は、多くの選択肢を提示されて「お好きにお選びください」と言われると思考が止まってしまう人が少なくありません。
よく例に引かれるのは、24種類のジャムを並べたら8種類だったときより売上がダウンした、というような話。
定食文化ではないですが、“お仕着せ”のように決めつけてもらうことが好きです。
自信を持って言い切ることで、そこはかとなく信頼感も生まれ、結果的にお客様の背中を押すことにもつながります。
②【断定系】 → 機能や情報をズバリ宣言する(5パターン)
(1)機能などをズバリ言う
身もフタもなく、機能やメリット、言いたいことをズバリと伝える方法です。
「吸引力が変わらないただ一つの掃除機」
「ベンザエースを買ってください」
街では「冷やし中華はじめました」というビラもよく目にしましたよね。
簡潔かつダイレクトに言うことは、聞き手にとっても時短になる効用があります。
(2)何かに例える
何かに例えることで理解を促し、脳にしっかりとインプットしてもらうやり方です。
「下町のナポレオン」
「ヨーグルト? いいえ、ケフィアです」
商品スローガンとしてもよく見られるタイプのキャッチコピーです。
(3)何かと比較する
比較することでメリットに気づかせたり、理解してもらう1文です。
「自動車は慎重に選ぶのに自動車保険は?」
「この安心、1日あたりコーヒー1杯分」
近年、よく行動経済学が話題になります。人は、いつも合理的な判断をしているわけではない、というやつですね。
そうなると、行動には矛盾が生じます。そこを、突くのです。
上の自動車保険の例でいえば、(自動車選びは車種や値引きであれこれ時間をかけたのに、保険加入となると言われるままにハンコを押すのですか? 真剣に考えてください。そうすればウチに決まるはずですから。。)というアピールが背景にあるのですね。
(4)AはBだ! と断定する
短文にしてガツンと言い切りにする。
「ゴルフは、人生だ」
「ビジネスは、スポーツだ」
「文章は形容詞から腐る」とは、真理をついた言葉であると思います。ようするに形容詞で飾りたてる文章は逃げ口上だ、ということです。
納得の断定であれば心に残りますし、納得がいかなければ軽く反感を買うというリスクはあります。
(5)役立つ情報を打ち出す
商品周りを真面目に研究していることをきっちり言う。
なるほど! と思ってもらって購買意向を高めるやり方です。
「やせにくくなった原因は、基礎代謝にありました」
「右利きの人は右のウラが汚れている」(歯ブラシ)
これまでの常識が間違いであるとするような内容ですと、よりインパクトがありますね。
製造業のマーケティングコンサルタント、弓削徹でした。
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