ものづくり企業の社名 その2
ものづくり企業は、どんな社名をつけるべきか。
かつては…
・姓名判断でつける
・アイウエオ順で最初に来るようにつける(電話帳対策)
なんていうのもありました。
「一度つけたら変えられない」と思うと、つい保守的な社名に落ち着くことも多いでしょう。
しかし、ちいさな企業であれば「一度聞いたら忘れない」社名をねらってもよいわけです。
米国では、ネーミングやブランド名、社名の重要性が知悉されているため、ベンチャー企業などでも社名の命名をコンサルタントに依頼したりします。
では、社内的に新社名を考える、あるいは社名変更を考えるとしたら、どのような手法があるかを書きます。
■社名のつけ方7つのパターン
●創業者の名前をつける
例) カシオ → 創業家の樫尾さんから
サントリー → 創業家・鳥井にサン(太陽)を接続
マツモトキヨシ → 創業者のフルネーム
●ゆかりの地名をつける
例) 東芝 → 東京芝浦電気から
菊川工業株式会社 → 墨田区菊川発祥の老舗建材メーカー
ノリタケ → 愛知県下の則武が創業の地
●商品・商材名をつける
例) ユーグレナ → ユーグレナ(ゾウリムシ)を扱う会社
デンソー → 電装品メーカーから(旧日本電送)
となりのみよちゃん → 展開しているチェン店名
●提供する価値・理念からつける
例)株式会社高齢社 → 高齢者を輝かせる人材派遣業。
面白法人カヤック → 世の中を面白くしたい、から
オイシックス → おいしい野菜を流通させたい
参) 株式会社総務部 → 企業の総務の業務を請け負う
社名として[~支店][~支社][~事業部]などはつけられません。
●イニシャル(省略)でつける
例) BMZ → ブーツ・マイスター・ゼニス(最高のスキーブーツメーカー)
DHC → 大学翻訳センターのイニシャル
ニッカ → 大日本果汁から
●造語にする
例) ファンケル → ファイン+ケミカルの造語
カルビー → カルシウム+ビタミン
EPSON → ヒット商品のEP-101のson(息子)をつくる
●言葉遊びにする
最近多いのがこれです。だじゃれ。外国語風日本語ネーミング。
例) アスクル → 注文すると明日届くから、アスクル
クラシエ → 楽しい暮らしへ、から
wowow → 「うわぁ!」を重ねた
最後の[wowow]は、普通につければ[JSB](ジャパン・サテライト・ブロードキャスティングかなんか)となるところを、「それでは後発として埋もれてしまう」として、あえて破天荒なネーミングをしたものです。
大手企業にはIBMやJRA、NTT、TDKのような3文字社名が多くあります。
しかし、ひんぱんにメディアに露出できる会社でなければ記憶してもらえない、没個性な社名であるといっていいでしょう。当然のことながら、ネット検索にたいしても脆弱です。
ただし、「他にはない社名を」と考え、ネガティブに陥ってしまうのはよくありません。
例) 株式会社破滅派、株式会社ヤリステ、株式会社闇
まともな会社であることを理解してもらうのに時間と手間がかかるとなれば、社業の邪魔となりますからね。
ということで、次回投稿では、社名のチェックポイントについて書きたいと思います。
ものづくり企業のマーケティングコンサルタント、弓削徹でした。
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