プロンプトのプロになる!
オラ、プロンプトのプロになっぞ!
ということで、前回記事のブラッシュアップにも通じる生成AIのプロンプト(指示、質問文のこと)の作文テクニックについて書きます。
さて、いまや「プロンプトによって結果が変わる」「プロンプトの書き方がカギ」などと巷間、言われております。
たしかにそうなのですが、生成AIも進化します。つまり、プロンプトが不十分でも回答を生成したり、足りない部分を催促してくれたりするのです。
(例) 「以下の文を評価するフィードバック文を300字以内で書いてください」と指示を出しながら“以下の文”を入力し忘れていると、「わかりました。対象になる文を入力してください」と催促してくれます。
そのため、一般的なプロンプトの文章作成はもう極める必要がなく、となりの友人に頼むように気軽に訊けばいいのです。
2024年夏現在、むしろ焦点となっているのはプロンプトの小手先(?)のテクニックです。このワザにより、アウトプットの質を高めることができるという手法が問われているのです。
ということで、生成AIのヘヴィユーザーや先達さんが採用、編み出しているプロンプト・テクニックを9個、紹介します。
回答精度を高める9のプロンプト技法
①複数人にディベートさせる
これはソフトバンクの孫正義氏が編み出した方法です。
生成AIの中に3人の人物を設定させ、議題に従ってディベートしてもらうというやり方。その過程で、多様な視点や立場を理解できたり、問題点を網羅しつつ、合意に至る道筋を把握することができます。
②ドSで責め立てる
生成AIが人なら怒りだしそうなあおりを入れる書き方です。アウトプットされた回答に対して「60点の回答です。100点の回答ではない要因を書き出したあと、100点の回答を出してください」や、「他の生成AIならもっと優秀な回答を出してくれますよ。負けないくらい優秀な回答を出してください」などのように。
③対話形式にしてもらう
2人の会話形式で解説を進めてもらうことで、論文調で書かれた硬めの文章よりも理解しやすいアウトプットになります。また、2ちゃんねるのスレッド風の進行で書いてもらうこともできます。
あるいは「中学生でもわかるように」と指定するのも有効です。重要なことは回答に際して基準を設けてあげることです。
④フレームワークを使う
プロンプトの入力をフレームワーク活用によって省力化、的確化するやり方です。
CO-STARフレームワークは、シンガポールで開催されたプロンプトのコンテストで優勝したノウハウで、以下のような内容になります。
C=Context ……<文脈> AIに背景や流れ、条件などをできるだけ共有することで、回答の寄り添い度が高まります。
O=Object ……<目的>タスクやゴールを明快に定義することで回答内容が目的に沿った内容になります。
S=Style ……<スタイル>希望する書き方を指定することで活用しやすい回答が得られます。
T=Tone ……<トーン>希望通りの雰囲気に適合する回答が得られます。
A=Audience ……<対象者>対象となる読者層を伝えることで、より刺さる回答表現になります。
R=Response ……<応答形式>出力の形式を指定することで、期待通りのアウトプットを得ることができます。
こうしたフレームワークは、まだまだ黎明期。<スタイル>と<応答形式>はかぶっていますし、<文脈>と<目的>も似ています。
今後、よりシャープなフレームワークが出てくると思いますし、弓削も考えてみたいと思いました。
⑤形式を指定する
上のフレームワークの1項目をより詳しく解説したものといえます。
出力形式を指定しなければ、ふつうは地の文でアウトプットされます。
表形式、ブレットポイント(箇条書き)またはリスト形式、マークダウン(軽量マークアップ言語)形式など、都合のよい回答の出力形式を指定することで、前提としている活用目的に適合しやすくしたり、情報を理解しやすく見える化することにつながります。
⑥ポイントを指定する
「論理的に」と指定すれば、回答内容の精度が高まり、ロジカルな説明をしてくれる傾向になります。
また重要な点を明確にすることも有効です。例えば「重要: KPIを明快に設定すること」などのように書くことで、より具体的な指針を得ることができます。
⑦段階的に難易度を上げてもらう
急にむずかしい話をされても理解が追いつかない場合、徐々に高度な内容へと誘ってもらうのです。
これにより、段階的に学び、理解していくことができるわけです。「思考段階を示しながら回答してください」、または「構造的に記述してください」という指定も有効ですので試してみてください。
⑧短く訊く
「プロンプトが長文になるほど、生成AIの推論能力が低下する」という論文が発表されています。そのため、短く、端的に記述することで、有用な回答が得られるというのです。
長くなってしまったプロンプトを自動で圧縮してくれるchatGTPsもあるそうです。
⑨知らないことは答えさせない
生成AIは知らないことでも回答を返してきます。彼らは「事実」には弱いので、人間でいうところの「知ったかぶり」をしてくるのです。このように不正確な情報をアウトプットしてくる現象をハルシネーション(ウソ)といいます。
これを避けるため、「知らないことは知らないと回答してください」と念を押しておくのです。
いかがだったでしょうか。
私も9つのスキルを意識して生成AIに仕事をしてもらおうと思います。あなたも、より効果的な活用法を模索してください。
製造業マーケティングコンサルタント、弓削 徹(ゆげ とおる)でした。
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