ご無沙汰の言い訳と、強い言葉
こちらのコーナーの投稿に間が空いてしまい、失礼いたしました。
本記事の前半はその言い訳と、後半はキャッチコピーの強い言葉について、です。
まずは言い訳。一応、自粛期間が終わり、セミナー・講演、ミーティングがはじまり出しています。
今週と先週は、2日間で合計11時間にもなるzoomセミナーを事務所から配信させてもらいました。
主催は東京都中小企業振興公社様で、内容は足掛け2年間にわたって執行される、製造業向けの販路開拓プロモーションのプロジェクトです。
参加企業に向けたリアルなキックオフ・セミナー(というか、ミーティング?)の講師を受任していましたが、ご存知のような事情で折悪しく中止になってしまいました。
その後、プロモーション知識を網羅的に解説するセミナーのスケジュールが迫り、こちらはzoomセミナーにスタイルを変更しての開催となりました。
11時間にもなるセミナーですので、中小製造業に必要なマーケティングやコミュニケーション、ひいてはプロモーションの知識をすべて伝達するものになります。
そのレジュメを作成するのに追われ、こちらのコラム更新も遠ざかってしまっていました。
なにしろ、レジュメのページ数は200ページ。
しかも、弓削のセミナーを受講された方はご存知だと思いますが、レジュメといってもふつうのテキスト数行やグラフがあって改ページ、というようなありきたりなものではありません。
図解や写真、キャラクターがてんこ盛りの、楽しめるレジュメです。
これをつくり込むのに精力を傾け、時間をかけていたのです。
ご参加者様も、社内で受講できるラクさはあるものの、ノートPCを前に聴講するのはたいへんだったことと思います。
その他、同じ振興公社様の別部署でのリアルな展示会セミナーも再開しました。
毎月開催で年内10回を予定されていたものが、4回まですっとび、しかし残り6回分は粛々と進むのです。
そして、来週は山梨へ販路開拓セミナーで出張します。
支援先企業の会議も、リアルなものになってきています。
あるいは会議には呼ばれないものの、新商品の販促ツールやプレスリリース、什器、メールの企画、文案を矢継ぎ早に要求してくる会社さんもあります。
いよいよ生あたたかく、いつもの日常に戻りつつあるのですね。
さて、後半はキャッチコピーに使うキーワードにつきまして。
コピーライターは強い言葉を探すことが仕事です。
日本語には、強調するとき言葉のアタマに一文字付け加えるときがありますよね。
はやい → すばやい の「す」
根性 → ど根性 の「ど」
オノマトペ とは異なる、口語的に言葉を強める表現方法だといえます。
つまり、1文字でフレーズがぐんと強くなる方法。
語源的な興味からも面白いですし、キャッチコピーに採り入れるべきなので、ちよっと整理して書いてみます。
まず、「か」。
かっさらう かっぽじる かっ食らう かっ飛ばす
この「かっ」はもともと「掻き」からきています。
ざぁっと掻き集めるように一気に行なう、というほどの意味でしょうか。
次に「す」。
すばやい すっ飛ばす すっぽかす すっからかん
もとは「素」ですから、シンプルにそれだけを強調する、というニュアンスです(すかんぴん<素寒貧>も?)。
「ほかす」(=捨てる、放っておく)は、かつては全国で使われていた言葉であり、それを強めるとすっぽかす、となるわけです。
そして「ど」。
ど派手 ど根性 ど真ん中 ど素人
これは「どう?」「まさにその通り!」というような意味合いで「ど」が残っていったものです。
関西発ではないかという説があるのは「どあほう」はあるけれど「どばか」はないから。
ちなみに「超ド級」の「ド」は“イギリスの戦艦ドレッドノート級の規模”を表しており、「超弩級」とするのは当て字ですね。
もうひとつは「つ」。
つっ走る つっ張る つっ転ぶ つっ立つ
これは「突く」から来ており、鋭いもので勢いよく刺す、が起源だとか。
最後に「ぶ」。
ぶっ殺す ぶっとばす ぶっぱなす ぶんなぐる
これは、広島地方の強調表現である「ぶち」の促音便だと思います。
弓削は毎年、かなりの回数広島に呼んでいただきますが、はじめて広島市で講演したときに「遠いところの人間を…いえ、ぶち遠いところの人間をお呼びいただきありがとうございます」と冒頭にごあいさつしましたら、そこそこウケていました。
それにしても、ぶち物騒な表現例ばかりですね。
その他にも、「真」から「まっ白」「まっ裸」「まっさかさま」。
「おっぱじまる」「おっ立つ」などなどきりがありません。
おっぺけぺーやちっちきちーも口から出やすい言葉の流れから、でしょうかね。
こうした、書き言葉、文語的ではない表現をキャッチコピーに入れ込みますと、強い印象を生むことにつながります。
ぜひ、試してみてください。
製造業のマーケティングコンサルタント、弓削 徹(ゆげ とおる)でした。
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