マーケティングを「役立つツール」に
ある公共団体からのご依頼で、2020年の夏にマーケティング理論の長時間講座を都内で担当します。
そのため、あらためてマーケティング用語などをチラチラ見返しています。
マーケティングとは、
ある人にとっては「むずかしそう」、
またある人にとっては「そろそろウチも戦略的に活用しなきゃ」、
はたまた別の人は「役に立たないと思うけどね」。
マーケティングとの関係性によって、その受け止め方はまちまちですよね。
私も大学でマーケティングの授業を受けた記憶がありますが、想像と相違してつまらなかったという思いをずっと持ち続けています。
マーケティングを学問として学んでも虚しく、勉強するなら「使う順」であるべきだと思っています。
「使う順」とは、中小製造業がビジネスの流れのなかで必要に迫られ使う順番で、マーケティングとやらを学べばいいじゃないですか、ということです。
●使う順のイメージ
たとえば、新規事業を立ち上げる。
ここはスタート地点ですよね。起業、と考えてもいいです。
どの方向性でビジネスモデルを構築していくのがよいか、ということになります。
そして、これと重なりますが、商品開発のやり方が、次に来る。
そのためにはマーケティング調査が必要なのか、どう実行すればいいのか。
この前後で、PESTやSWOT分析、3C、4Cなどの分析手法も。
ものづくりができたら、どの流通チャネルを狙うか、あるいは受注が思わしくない商品があるなら、どのような販売促進策ができるか。
ブランド化していくには、どのような活動をしていくべきか。
いまどきのICTやソーシャルをどう活用していくか。。。
以上のように、ビジネスの順番と必要性に、役立つツールとしてのマーケティング手法が対応するのです。
ところが、それをマーケティングの歴史と成り立ち、理論、分析、調査、、のように体系だって教わると、とてもアカデミックでありがたいけれど、実務と結びつきづらいような気がします。
しょせんマーケティングなんて、使ってなんぼのツールに過ぎません。
高額で買ったジャケットのように、クローゼットにありがたくぶらさげておいて、「あのブランドのジャケット、持ってるンだ」と満足に浸っているようなものではないのです。
一世を風靡したハリウッド・スターのフレッド・アステアは(ご存じない方はググってみてください)、新しい服を買ったときは、着る前に壁にバシッと叩きつけてから袖を通したそうです。
「誰がご主人様かをはっきりさせるためさ」
本人はそう言うのですが、高価な服に「着られてしまう」のではなく、着こなすことができるように、そんな儀式が必要だったのでしょうね。
マーケティングも同じです。
ありがたいMBAで修めていようと関係ありません。
潤沢な予算を配分するような、大手企業のための強者の理論とも異なります。
実戦で、必要なときに、役立つアイテムを援用して使いこなすことができてはじめて、有用な道具として輝くのです。
ということで、、今回の講座では、マーケティングに対する先入観を打ち壊し、「なんだ、実際に役立つものなんだね」との感想が漏れるような内容にしたいと考えております。
これまでは、中小企業診断士の人が試験勉強で学んだことをそのまま講義するような、象牙色したカリキュラムであったようです。
せっかく草莽の徒・弓削が担当するのですから、真に腹落ちする、今日から使える切れ味のいいツールとして持ち帰ってもらえるように苦心したいと考えております。
受講される方がた、関係各位、どうぞよろしくお願いいたします。
製造業のマーケティングコンサルタント、弓削徹でした。
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